本研究拠点は、健康長寿社会の実現を目指して、次の2つのテーマ(分子と生命、医学と食)を設定し研究を展開しています。
1)分子と生命
先端的基礎研究を実践することで、発癌とその分子機序や加齢に伴う癌化との関連、寿命を制御するシグナルやその伝達経路を解明し、生物に共通する新しい健康長寿機構を明らかにしていきます。
さらに、これらの研究を応用して、新規がん予防の手法や治療薬の開発、および食品などの産業応用や老年病の疾患原因の究明を通じた予防医学研究を推進し、健康社会の実現を目指します。
2)医学と食
リウマチ等の自己免疫疾患やアルツハイマー病等の神経変性疾患、ならびにメタボリック症候群に代表される加齢性の諸疾患は全て過剰な炎症反応が引き金となっています。そこで本研究では、健常時に慢性炎症を抑制している「免疫寛容の維持・誘導機構」を解明すると共に、当該知見を加齢性難病の征圧へと展開するための基盤技術を開発することを目指します。
また、超高齢化社会を迎える我が国においては、上記の加齢性疾患に対する治療法の開発と共に、日頃の生活を通じて当該難病になりにくい体を維持することも健康長寿を実現する上で重要な課題となっています。そこで本研究では、「食による予防医学の実現」を旗頭として、各種の加齢疾患を予防できる機能性食品成分の探索とその食品免疫学的作用機作の解明、ならびに当該知見を利用した疾病予防食品の創製を目標とした研究についても推進します。さらに、腸内の共生微生物や食品微生物による疾患予防を目指した研究を展開します。