センター長の挨拶
日本は世界遺産に登録された日本食、および戦後経済成長に支えられた健康福利制度の改良により、平均寿命が伸長し国民がより長生きできるようになりました。現在の平均寿命は、男性79才、女性86才です。しかしその一方で、出生率の低下とともに先進7カ国で最も人口の高齢化が進んでいます。 今後もさらに高齢化傾向が続き、近い将来これまでどの国も体験したことのない超高齢化社会に向かうことが予想されます。このような状況の中で、より大切になってくるのは、健康的に老いる、いわゆる「健康のまま寿命を延長すること」であります。健康長寿は我が国のみならずとりもなおさず人類が希求する21世紀の重要な課題です。当研究センターは健康長寿達成するための研究機関として基礎、応用分野を問わず、センター一丸となって日々鋭意邁進したいと所存です。
設立の経緯
当研究センター参加研究者はこれまで各々独自に海外研究機関(英国癌研、ハーバード大学医学部、台湾高雄Chang Gung記念病院など)との共同研究(若手研究者の長期派遣を含む)を実施してきました。その実績を基に、平成24年度(2012年)、JSPS頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム(「健康長寿科学を推進する若手研究者国際共同研究」)に採択され、その後、健康長寿科学を推進するための若手研究者の育成および国際共同研究を引き続き実施してきました。一方、本広島大学は、平成25年度、文部科学省の「研究大学強化促進事業」において、研究大学として選抜され、研究力強化に取り組んできました。さらに、その研究力強化戦略に沿って広島大学長は、平成26年1月8日英国癌研・細胞制御部門長、登田隆博士を本学客員教授に任命しました(平成27年10月1日から本学特任教授に就任予定)。そこで招聘された登田博士を核として、現在進行中のJSPS頭脳循環プログラムを発展推進する形で、医歯薬系との連携を強化しつつ、 広島大学健康長寿研究センター(HiHA)を設立するものであります。
ミッション(理念・目標・運営方針)
生命科学研究を通じて人類の福祉向上、とりわけ健康長寿増進に寄与することが当研究センターの第一の設立理念である。基礎 、応用研究を問わず、多様なモデル生物システムを有効に使用し、それから得られる知見、情報の迅速かつ有効な人類福祉への適用を目標とする。運営方針としては、若手研究者の独自性を育む自由な研究環境を提供しつつ、同時に国際学術、学際交流、共同研究を推進したい。さらに当センターの研究活動を通じて広島大学の研究大学、国際研究組織としての評価、質的向上を目指したい。 上記目標達成のため当センターは次の重点項目を設けた。
- 国際共同研究の促進
- 若手研究者の長期派遣
- 研究者の交流(派遣・招聘)
- 海外研究機関との連携体制の強化(協定締結など) 英国癌研究所、サセックス大学、台湾高雄Chang Gung記念病院、ハーバード大学医学部など
- 本拠点=海外連携研究機関への派遣窓口(大学院生(国内外)の増加へ貢献)
- 将来的なノーベル受賞者の輩出