第83回HiHA Seminar

日時：12月21日（木）16:30-18:00
場所：先端科学総合研究棟3F 302S会議室
演者：田淵　光昭　教授
　　（香川大学農学部 応用生物科学科 ）
演題：細胞膜マイクロドメインを介したスフィンゴ脂質センシング機構の解析

香川大学の田淵光昭教授をお迎えして第83回HiHA Seminarを開催致しました。

細胞膜は、グリセロリン脂質、ステロール、スフィンゴ脂質の3つの脂質を主として構成され、これら脂質の組成は細胞や組織により異なりますが定常状態では厳密な代謝制御によって一定に保たれています。ヒトではその制御の破綻は脂質代謝異常症などの様々な疾患の原因となります。
　本セミナーでは、我々が、酵母において見出したスフィンゴ脂質レベルの低下に伴って誘導され、下流のスフィンゴ脂質代謝に関わる遺伝子の発現制御を介してスフィンゴ脂質代謝を制御する転写因子についてご紹介いただきました。ステロールについては、ヒト及び酵母でそのセンシング機構が良く理解されていますが、スフィンゴ脂質が細胞内のどのような分子装置によりセンシングされるかについては、ヒトを含めたすべての生物においてほとんど理解されていません。本セミナーでは細胞膜マイクロドメインを介したスフィンゴ脂質のセンシング機構についても議論が展開されました。