2021/11/29 拠点メンバー(荒川准教授グループ)からの新論文がBioscience, Biotechnology, and Biochemistry誌に掲載されました

放線菌の二次代謝生産を調整する因子として、DNA結合型転写活性化因子SARP (Streptomyces antibiotics regulatory protein) が知られています。本研究ではStreptomyces rocehi 7434AN4 株におけるSARP遺伝子SRO_3163による二次代謝生産誘導を試みました。形質転換体の代謝プロファイルを解析したところ、親株には見られないUV活性化合物 (YM3163-A) の存在が確認されました。ESI-MSおよびNMR解析を行い、YM3163-Aの構造は2-(cyclohex-2-en-1-ylidene)acetamideであることが分かり、本構造を化学合成により確認しました。YM3163-Aは新規化合物であり、本化合物に類似した化合物の生合成起源や生合成遺伝子は報告例がなく、放線菌二次代謝マシナリーの新たな可能性を提唱することができました。

著者:Yuya Misaki, Yosi Nindita, Kota Fujita, Amirudin Akhmad Fauzi, Kenji Arakawa.
タイトル:Overexpression of SRO_3163, a homolog of Streptomyces antibiotic regulatory protein, induces the production of novel cyclohexene-containing enamide in Streptomyces rochei
掲載誌:Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
DOI: 10.1093/bbb/zbab206