2021/7/14 拠点メンバー(浅野桂 翻訳制御学研究室 特任教授)が Cell Reports誌に論文を発表しました

アルツハイマー病がβアミロイドタンパク質の異常蓄積によって起こることはよく知られていますが、神経性疾患は他のペプチドの蓄積によっても起こります。その一つに3または6塩基対の繰り返し配列の翻訳産物がありAUG以外の開始コドンによって翻訳されます。本研究では5MP1という翻訳制御タンパク質がそのような不正確な翻訳開始を妨げ、毒性のある繰り返しタンパクの産生を妨げることを示しました。老化によって起こる神経疾患の更なる解明に貢献するものと考えます。米国ミシガン大学Peter Todd研究室、バージニア・コモンウェルス大学Carlos Escalante研究室、熊本大学中村輝研究室との国際共同研究の成果です。

著 者:Chingakham Ranjit Singh, Marry Rebecca Glineburg, Chelsea Moore, Naoki Tani, Rahul Jaiswal, Ye Zou, Eric Aube, Sarah Gillaspie, Mackenzie Thornton, Ariana Cecil, Madelyn Hilgers, Azuma Takasu, Izumi Asano, Masayo Asano, Carlos R. Escalante, Akira Nakamura, Peter Todd, and Katsura Asano
タイトル:Human oncoprotein 5MP1 suppresses general and repeat-associated non-AUG translation via eIF3 by a common mechanism.
掲載誌:Cell Reports, 36, 109376 (2021)

DOI:https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(21)00774-9