オレゴン州コーバリスの風景
Yosi Nindita
2018年の6月より、日本学術振興会「国際的な活躍が期待できる研究者の育成事業」支援のもと、オレゴン州立大学(以下OSU)のTaifo Mahmud博士の研究室で客員研究員を務めています。私の現在の研究は、土壌細菌Streptomycesから本来眠っている二次代謝産物の検出方法の開発を試みています。私がオレゴン州コーバリスに来たのは2018年6月。当時気温は35℃もありましたが、日本の夏よりずっと過ごしやすいように感じました。
そんなコーバリスは“ツリーシティ”として知られており、約45の公立公園があります。キャンパス内は一面緑のカーペットに覆われているように自然がいっぱいで、さまざまな樹木や花を楽しむことができます。秋になると、街全体が紅葉でさらにこの景色が美しくなります。
人口僅か54,000人の小さな学園都市ではありますが、ここに住む人々は親切で、自然を大切にしています。都市部では春から秋にかけて、週2回ファーマーズマーケットが開催され、このマーケットでは有機野菜や果物、手作りの食品まで販売されていました。
オレゴン州最大の規模であるOSUは1868年に設立され、今年150周年を迎えました。現在約32,000人の学生が在学中であり、研究大学として高度な方法と技術を備えています。
OSUには多くの有名な卒業生がいますが、最も有名なのはライナス・カール・ポーリング氏です。彼はノーベル化学賞(1954年)とノーベル平和賞(1962年)を受賞し、単独でノーベル賞を複数回受賞した唯一の人物です。1973年にライナス・ポーリング科学医学研究所を2人の研究者と設立。1996年この研究所はコーバリスに移転し、OSUの一機関となりました。ポーリングの家族は、彼の没後、彼の持ち物、机、掲示板、ノート、そして2つのノーベル賞のメダルをもOSUへ寄贈しています。(残念ながら私がOSUのバレー図書館、ライナス・ポーリングオフィスを訪れた際には、ノーベル賞のレプリカの展示しかありませんでした)
私はOSUにて研究できる機会をいただけたことに、大変感謝しています。私の研究についての報告もありますので、次回の記事でそのお話ができれば、と思っています。